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「坂の上の雲」と国が本当に一致団結した時の力 [小説]

司馬遼太郎の最高傑作と言われる「坂の上の雲」。
私も大好きです。

陸軍騎兵の秋山好古、海軍参謀秋山真之の兄弟と歌人正岡子規を主人公に、明治初期から日露戦争までを書く大作歴史小説です。

明治の急激な西洋化がいかなものだったのか?
それを感じさせてくれます。

本当に、みんな一心不乱に西洋の勉強をして、日本を変えていったんだなぁ。
(´・ω・`)
と、感動すること請け合いです。

秋山好古はフランス騎兵を日本に導入して、コサック騎兵と戦います。
秋山真之はロシアの太平洋艦隊とバルチック艦隊を相手に戦いますが・・・。

日露戦争であまりにも上手く言ったことが、のちの日本の軍部と政治が誤ったのだ。

って、言われますね・・・。

いや、確かに政治の失敗を、軍事でカバーするっていうのを、日露戦争で味わって、
第一次世界大戦の総力戦を経験していなければ、世代が変わってしまった、太平洋戦争の時には、
総力戦とは何か?
って、分からなかったんでしょうね。
日露戦争の時には、陸軍と海軍は一丸となって戦い、政治もそれの成果を存分に活用しました。
太平洋戦争の時とは、まったく違ったみたいです。
そりゃあ、国民向けに政治家たちやマスコミは煽ってましたけど・・・。
軍部と政治でバラバラだったら、どうしょうもないですよね。

むしろ、日露戦争後から陸軍と海軍の仲が悪くなっていくみたいですが・・・。
まあ、それはそれとして・・・。
(´・ω・`)
弱小国が頑張って、大国を倒すっていう物語です。
しかも、それがご先祖様たちなんので、日本人は燃えますよ!


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「花神」と幕末一の実務家 [小説]

司馬遼太郎の名作「花神」は日本近代兵制の創始者・大村益次郎(村田蔵六)の生涯を描いた作品です。

さて、この大村益次郎。
福沢諭吉とも親交がありました。
緒方洪庵の適塾の先輩、後輩の間柄で福沢諭吉の方が後輩で、どちらも塾頭まで務めました。

ただ生き方がまったく違います。
大村益次郎は非常に高名な学者でしたが、長州に仕えて、討幕の原動力である近代兵制を創始し、運用しました。
これについて、福沢諭吉と喧嘩したという逸話もあります。

実際、学者としてはどっちが上だったかって色々と言われるかも知れませんが、幕末期には大村益次郎の方に軍配が上がると私は考えます。
惜しむらくは明治維新後に早々に暗殺されてしまった為に、もし長生きしていれば、山縣有朋が元勲とは言われていないと思いますね。

と、いう業績はすごい方なんですが・・・。
(´・ω・`)
今で言うところのコミ障です。
ちなみにブ男でもあったそうです。

それでも、その学識の高さで、シーボルトの娘で、美人と名高い楠本イネと恋仲っていうよりは、想いを寄せられていたようです。
まあ、確かにこれほど頭が良ければ、痘痕も靨なんでしょう。

そして、すごいところが、その学識をそのまま技術者・実務者として使えたところです。

これはすごいですよ・・・。
語学・科学の学者で、参謀総長で、兵器開発技術者で、官僚として、その運用法を創始したって・・・。
アレ、それって諸葛孔明みたい・・・。
(´・ω・`)
って、感じの凄い人です。

幕末の三傑と並ぶ英雄だと私は思いますが、知らない人も多いんですよね。
まあ、そういう訳で、「花神」でその人の生涯に触れてみるのも良いと思います。

この職人肌的な学者が、いかに幕末で討幕軍を革新させたのか?
なかなか面白いですよ。


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「東天の獅子」と柔道のスポーツ化 [小説]

夢枕獏先生の名作「東天の獅子」は嘉納治五郎を中心とした、初期の講道館を舞台にした物語です。

さて、空手は流派がたくさんありますけど、柔道の流派は一つです。
講道館が一つにまとめたわけですが・・・。
(´・ω・`)
元々、柔術の流派はたくさんありました。
岡山にも最古の柔術流派の竹ノ内流とその分派がたくさんありまして、
東天の獅子に出てくる竹内三統流もその分派です。

そもそも、大名の身辺警護で、身に寸鉄も持てない時もあり、
結構、各大名家で研究されていました。
会津の御式内とか殿中での作法内でも戦えると言われた流派もあります。

でも、なんで講道館が世界中に広がるほどに大きくなったかっていうと、
すごく強かったんですよ・・・。
(´・ω・`)
作中で武田惣角が嘉納治五郎と戦うと、技を教えてやっているようなものだ。
みたいなことを言いますが、講道館には日本の古流の技をかなり収集し研究されていました。

それをスポーツ化した柔道は世界に広がりました。
私もよく、あそこまで怪我が少ないものにしたものだと、感心します。

警察にも取り入れられてますけど、特に暴れる容疑者を無傷で取り押さえる事が出来るのは、
柔道の粋です。
その柔道を創始したのが嘉納治五郎という天才です。

その嘉納治五郎が現代にも残る技の体系として残した柔道。

でも、そもそも「東天の獅子」って、収集した柔術の粋である前田光世が残した技の体系のブラジリアン柔術の
事を書くって話だったんですけど・・・。
続きはいつになるんでしょうかね。
(´・ω・`)


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「忍びの国」と暗殺という切り札 [小説]

「村上海賊の娘」も絶好調の和田竜先生の名作「忍びの国」。

この物語も信長が敵となります。
信長の伊賀攻めの物語で、まだ伊賀では未だに語り継がれる凄惨な史実なんですが・・・。
まあ、どうしてそうなったのか?
って、いう真相が語られている。
と、私は感じました。

忍者たちが主人公なんですが、この忍者。
実際に敵に回すと、これほど厄介なモノは無いんです。

しかも、主人公の無門のような凄腕がいたら・・・。
って、思うと背筋が寒くなりますね。

敵の要人の暗殺が可能であるってだけで、どれだけ外交や戦争を優位に進められるか?
それは、古事記や日本書紀でスサノオやヤマトタケルなどの英雄の話も当てはまります。
天皇家が周辺豪族への暗殺や謀殺は非常に多かったと思います。
大きな戦争の記録が、倭国大乱という中国の史書しか無く、
どうやら、小競り合い程度の戦いで支配していった日本の古代史ってどんなんだろう?
と、思いますが、まあそれは、置いておいて。

この物語は、信長の暗殺が伊賀者たちで可能である。
と、いう設定で成り立ってます。
ある意味、それがどれほど怖いことか?

民主主義をどうして、ほとんどの国が採用しているかは、リーダーの変えが容易で、
国民を兵士にして士気を維持するのが容易だからです。
明治維新も結局は、近代国家にしないと戦争に負けるから、民主化しただけです。

実際、史実では本能寺で信長が殺された時点で、織田家が終わりました。

それに対する恐れが、伊賀に対して凄惨な虐殺を行った理由なのか?
と、考えさせられる作品です。


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「キマイラ 10 鬼骨変」と人の枠を超えるには? [小説]

「キマイラ・吼」シリーズは夢枕獏先生の名作で、今でも続いている・・・。
(´・ω・`)
私が読んだのは、高校生か中学生だった時期で、未だに新刊を読んでいるとは、
正直、思わなかったです。

まあ、いいんですけどね。

さて、この「キマイラ・吼」の一つのテーマに人は神に近づくことが出来るのか?
その答えの一つに、チャクラを目覚めさせて、身体を変貌させるキマイラ化という現象を
追っていく話です。

これが、少年の頃の私には非常に魅力的で、歴史や宗教などのオカルトにのめり込みきっかけになりました。
楽しかったなぁ・・・。
まあ、聖闘士星矢や北斗の拳にハマった時期と、何が違うんだ?
という、突っ込みは置いといてですね。
(´・ω・`)
調べてみると、永遠と調べられるところが、歴史と宗教です。
色々と解釈があって楽しいです。

悟り開き自ら仏となることを目的とする仏教は、やはり面白いです。
釈迦は悟りを得る事で、人としての枠を超えて、梵天との対話しました。
キリスト教も、聖者となる事を一つの目標としてますから、
別に異端な訳ではありませんよ。
天に召されて神の下辺となる事が目的なんて、世界的宗教では当たり前です。

むしろ、宗教は神の世界に至る道が無い方が、人気が無くなっていくんですよね。
ある意味、他の民族に広がる為には、そういう概念が必要なんでしょうね。
(´・ω・`)
と、いう訳で、今日も精進しようと思います。


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「岳飛伝 十 天雷の章」と物流情報網の掌握とは [小説]

大水滸伝シリーズもそろそろ終焉を迎えそうな頃ですが・・・。
果たして、何処で完結とするのか?
どうなるんでしょうね。
(´・ω・`)
まったく歴史と同化しているので、続けようとすると、いつまでも続きます。
平常時も梁山泊は情報網と物流網を作っているので、軍隊を持つグローバル企業と
言った方がいいような、状態です。

替天行道という志の行き着く先とは?
と、いう感じで完結に向かってます。

国という枠組みを作って、国の力を競っていったのが歴史です。
人間はそれぞれの国に所属して、その国の為に働きます。
それによって、生きていく事を保証されるまでになりました。
犯罪などは国の枠組みを壊すあるいは、それの害となることを
取り締まるのであって、それ以外については結構、いい加減です。

そこを北方謙三は国の枠組みを超える物流と情報網を持つ人の営みが、
理想の志に適い、それが完備されれば、戦争などの絶望が無くなるのではないのか?
と、いう物語を組み上げてます。

今の世は、その情報網と物流網が存在し、それが完備された場所では、
少なくとも戦争とは無縁になりつつあります。
もちろん、それを遮断して戦争に向かう人たちもいるわけですが・・・。
(´・ω・`)
まあ、そんな訳で、世の中ままならないのですが、そう事も人の営みです。

衣食足りて礼節を知るという言葉は、今も足りなければ礼節を知らないという意味でもあるのですからね。


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「ログ・ホライズン(8) 雲雀たちの羽ばたき」と文化の統制 [小説]

さて、アニメにもなっているログ・ホライズンも8巻目。
この話は、若手パーティ中心の話です。

さて、今回も面白く読ませて頂きましたが、さて、文化の幅が狭い!
っていうのは、実際の世界にもあります。
例えば、中国や北朝鮮やトルクメニスタンなどのインターネットを自由な閲覧を禁止している国は
沢山あるんですね・・・。
(´・ω・`)
まあ、徐々に緩和していく国もありますが、そうじゃない国もあります。

この文化を統制すると、統治する者にとっては、非常に都合が良いです。
それと真逆にすべて自由という国もあります。

例えばアメリカがいい例なのですが、素晴らしい国なので優秀な人はアメリカ国民になろう!
って、いう国です。
世界中の学者がアメリカで研究してますし、その状況はまだまだ続きそうです。

優秀な人間には地位と名誉が約束されるアメリカンドリームと、昔言われましたけど、
今でもそうですね。
日本も高額の報酬を用意して、そういう学者を引き抜こうとしてますけど・・・。
理化学研究所の騒動で、何か暗雲が垂れ込めてます。

ある意味、すべて自由にすると、グローバル化がどんどん進み、ある意味、貧困もグローバル化します
同じ能力で日本人ならこの報酬だけど、北朝鮮人だとこの報酬というのが、通らなくなります。
今のところ、国の壁は崩せてませんけど・・・。
どこまで、頑張れるかなぁ。
って、状態ですね。
(´・ω・`)
アメリカなんて、まさにそれになって、貧富の差がすごい事になってますけど、
これはグローバル化を進めた結果です。

と、いう訳で、独裁体制でも中東などには裕福な国もありますんで、そっちは真逆ですね。

ただ、私は早いところ、軌道エレベータが出来てて、エネルギー革命を起こしてほしいと思っている口なので、
早く地下資源による国の貧富の差の解消を進めてほしいものです。
(´・ω・`)
まあ、今の中東の混乱より、酷い有様になるだろうことは、そうなった後の中東が舞台になったガンダムダブルオーとかでやってますよね・・・。


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何故に日本の古代史は人気が無いのか? [小説]

古代史を題材にサウンドノベルを書いているのですが、
色んな人から、新鮮だという話を聞きます。
(´・ω・`)
最近、桃太郎って「モモキュンソード」っていう巨乳美少女が桃太郎っていうのも、
出たまして、桃太郎のパロディって、全然、珍しくありません。
ただ、桃太郎の童話の元である「温羅伝説と吉備津彦」についてのパロディが珍しいってだけですけど・・・。

この吉備津彦と温羅の戦いって、西遊記の最初のクライマックスである孫悟空と二郎真君と同じような戦いを
します。
孫悟空は東方の島国生まれってことで、こっちのパロディの物語も考えているのですが・・・。
(´・ω・`)

さて、本題の日本の古代史ですが、どうもつじつまが合わない記述が多いのです。
国内向けの古事記と国外向けの日本書記ですら、違います。
どうも粉飾したり、あえて書かなかったりとか、まあ色々とあります。

なので、わざわざ魏志倭人伝という中国の史書の方が信頼できるのではないのか?
と、いうので、その研究の方が活発だったりします。

趣味で神社仏閣を訪ねると、古代史の片りんを感じる事も出来ます。
元伊勢神社と言われる、今の伊勢神社に至るまでの変遷も、大和の侵略経路だったのでは?
そして、福知山市の皇大神社の八岐大蛇伝説は、神話では出雲国での出来事にされています。
出雲の始祖がスサノオで天孫たる大和と同族だったという、粉飾でもあったのか?
とか、思うぐらいです。
(´・ω・`)
まあ、そういう細かな突っ込みをフィールドワークをしながらやってるわけですが、
なかなか、面白いですよ。
特にアマテラスが祭神の神社は特に面白いと思ってます。
(´・ω・`)


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「岳飛伝 十 天雷の章」と総力戦を書ききる [小説]

歴史小説が戦争を題材にする時に、局地戦か何巻も費やして戦争の発端から、
終局まで書ききるタイプとあると思いますが、岳飛伝は後者です。
水滸伝から始まった物語は、岳飛伝で終局に至ります。

しかし、物語も歴史の一局面。
どういう形で形で終わるのか?

南方にジャングルを切り開いて、国を着々と作っていき、岳飛も南方で兵を養って戦線に復帰しました。

陽令伝の会戦形式の戦争じゃなく、南方と長江、そして中国本土での戦いが本格化していってます。
しかし、どの時点で終わるんでしょうね。
南方に理想郷を作って終わるのか?
はたまた、モンゴルの台頭まで書くのか?
(´・ω・`)
将来を考えると、志を残すには、南方に行くしかなかった訳ですが・・・。

後、数巻で完結というと感慨深いですが、最後まで楽しみにしようと思ってます。


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「ローマ亡き後の地中海世界」の文庫版が出ました [小説]

塩野七生先生の「ローマ亡き後の地中海世界」が文庫化しました。

ローマ人の物語を読了した後に、暗黒の中世と言われるけど、それってどうして?
という疑問に答えてくれる作品です。

地中海の沿岸を中心にローマは西洋から中東、アフリカなどの広大な地域を支配しました。
そして、地中海貿易は活発化し、人々は保証された平和の中で、数々の文化が花開いていたのですが・・・。

昔、中世のヨーロッパって北斗の拳の世界みたいなもんだよ。
って、歴史の先生に教えてもらったんですが、その時はそんなバカなぁ・・・。
(´・ω・`)
って、思ってたら、もっと酷かった・・・。
少年ジャンプに掲載できる程度まで、マイルドにしているのが北斗の拳でした・・・。
18禁で、漫画で表現されていれば、酷すぎて見れません。

と、いう世界が地中海に広がっていました。
もっとも、城壁と軍隊に守られた場所もありましたが、特に海賊の被害の激しい南イタリアなど、
そういう視点で見ると、いかに安心して仕事が出来ない状態だと、人って荒れるんだなぁ・・・。
って、思います。

まあ、そんな訳で、中世のヨーロッパとイスラム国家との確執の発端を読んでみるのも為になると思います。

仲良くすればよいじゃん!
って、日本人は気軽に言うからも知れませんけど・・・。

この歴史を知っていると、中東への締め付けもその反動の911も納得しますよ。
(´・ω・`)
どうするば仲良くなれるんでしょうかね。


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