おっさんプログラマーがウケた話10『最初のCPUを設計したのは日本人』 [パソコン]
嶋正利先生といえば、私達の世代では有名人ですが、若者は知らない人が多いみたいです。
特に、最初期のインテルのCPUを設計したのは、日本人だというと、驚かれます。
それは電卓を開発販売していたビジコンがLSIの設計と生産を委託したインテルがリソースがないのに、受託してしまったことからこの話は始まります。
日本側の設計は、複数の専用LSIを組み合わせて、電卓を実現するという手堅く、当時としても先進的な性能を持つものでした。
しかし、そんな複数の専用LSIを開発することが出来ないインテルはあるアイディアを提案します。
いっそ、4ビットの汎用CPUを作れば電卓を少ないLSIで実現できる!
良いアイディアだと、思われましたがここでも最大の問題が発生します。
「アメリカのCPU開発者を雇おうとしたら、仕事の内容が4ビットCPUの設計だと伝えると全員が断ったというものです」
当時のCPUはメインフレームは32ビット、ミニコンピュータでも8ビット~16ビットで、そういったコンピュータの設計者から見れば、4ビットは「おもちゃ」でした。
と、いうわけで、仕事の穴であるCPUの論理設計を発注先であるビジコンの嶋 正利先生がやることになってしまったという日本の会社の文化ならではですね。
これが世界初のマイクロプロセッサ「Intel 4004」です。
その後、「Intel 8080」、「Z80」の開発にも関わり、特にZ80は未だに使われ続ける極めて息の長いCPUとして、今も使われ続けています。
世界初のマイクロプロセッサは日本の専門家じゃなくても、仕事をやらされるという文化の賜でもあるわけです。
もっとも、マイクロプロセッサがLSIで実現するのは、時間の問題でもあったのですが、この行き当たりばったりの電卓開発が、後のCPUシェアトップのインテルを作ったのですから、将来なにが起こるかわかりませんね。
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