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「花燃ゆ」の安政の大獄の背景 [ドラマ]

さて、安政の大獄が始まりましたけど・・・。
何で安政の大獄が行われたの?
(´・ω・`)
って、話になると思います。
そりゃあ、通商条約の反対派の取り締まりで始まったって話では単純すぎますよね。
それに戊午の密勅だけが安政の大獄の引き金というには、少し弱いと思います。
だいたい、じゃあ政敵を殺す理由になるのか?
って、話になると思います。
それに報復に大老や老中を暗殺しないといけないのか?
って、お兄さんに自分にでも分かる説明を求める文の気持ちも分かると思います。
もちろん、親や兄が激怒するのは、当然ですね。
罪人に対しての家族連座しての切腹と打首が江戸時代ですから。

安政の大獄とは江戸幕府でも大獄とまで言われる恐怖政治は、安政の大獄のみで大老の政敵の御三家水戸徳川家と御三卿の一橋家にまで処分が及んだ事は江戸幕府の成立以来前代未聞で前代未聞でした。
さて、井伊直弼がそのような行動に及んだのは、それまでの経緯があるのです。
発端は老中首座の阿部正弘の急死から始まります。
そもそもパリー来航以前から、将軍継嗣問題で幕政は真っ二つに割れていました。
現徳川家定将軍に血筋が近い従弟の紀伊藩主徳川慶福(家茂)を推す南紀派と水戸藩の徳川斉昭の実子である一橋慶喜を擁立する一橋派の二派に分かれて争っていました。
一橋派は外様大名の意見も取り入れるという改革派でした。
そして南紀派は親藩を主体とした今までの幕政を担ってきた大名たちです。

そこへペリー来航で、幕府の想像以上に強行なアメリカの態度に日米和親条約締結を余儀なくされてしまい一気に二派の軋轢が加熱してしまい、一橋派の中心人物であった阿部正弘が急死すると、南紀派が巻き返し、
大老の井伊直弼を擁立してしまいます。
そこで政敵の一橋派の弾圧をしたのが、安政の大獄の背景です。
これが過激化したのは、一橋派の巻き返しを狙って島津斉彬が藩兵を率いて上洛することを計画したのですが、薩摩藩に戻って準備中に急死してしまい一橋派の希望が一旦は潰えてしまいました。
そして、戊午の密勅が水戸藩に下されたのは、幕府の正統は一橋派にあると朝廷が認めた事になるのです。
しかしこうなると相手も黙ってはいません。
やられる前にやる!御三家御三卿を巻き込んだ過激な弾圧となったわけです。
そして外様藩から政治に参加するチャンスを奪ってしまいました。
ここが幕末の重要な点です。
朝廷への運動して、幕府を諌めるというのはどちらかというと穏健派で、過激派はむしろ倒幕を目指していました。
しかし、尊皇攘夷の思想を主導していたのは、現時点では水戸藩です。
まだ、倒幕は主流ではありません。
この時点で一旦は政権に関与していた外様大名を排除して、一橋派の徳川家を弾圧し、そして水戸学の一派の学者たちも弾圧しました。
有力な外様が政治に関与出来ないという状態が当分続き、有力な大名家も動くことができません。
それこそ、大老井伊直弼は御三家であろうとも潰す!
そういう意思すらありましたので、戦々恐々としていたところです。
ここから維新の中心が公家の岩倉具視や薩摩は大久保利通らの精忠組や長州の松下村塾の活動が表立ってきます、大名たち主導の改革が身分の低い武士や公家が中心となっていきます。
失うものが無い連中がより過激な活動になっていくんですね。
(´・ω・`)
弾圧を受けた水戸浪士は大老井伊直弼の暗殺を狙い、吉田松陰たち外様大名家の活動家たちは老中間部詮勝を暗殺を狙います。

まあ、こんな事をいうのもなんですが、当初は幕府は吉田松陰など眼中に無かったんです。
逮捕者第一号の梅田雲浜が長州に訪問した時に吉田松陰の会ったという証言があったから、江戸に護送されたんですが、実際は梅田雲浜は吉田松陰を逮捕されても問題と無い人物と思っていて、何故、老中暗殺計画などを正直に告発して過激な発言をした事に、驚いたそうです。
後に至誠を貫いた生涯と讃えられましたけど、生き残る気があったのか?
(´・ω・`)
と、疑問に思います。
まあ、逆にだからこそ将来、神格化される訳ですが・・・。

そんな訳で安政の大獄で処刑された吉田松陰は神格化します。
ようするに、御三家御三卿、名だたる勤皇の学者たちが処罰されたのですが、その仲間に加わったことで、若干30歳にもならない若者が後に神格化されていくのです。
ところで、同じく若年で処刑された橋本左内や頼三樹三郎ですが、彼らは一橋派のすでに世間でも有名な学者でしたから、こちらは井伊直弼の政敵として処分されたので、吉田松陰のような殉教のような死とは違います。

この安政の大獄で弾圧された一橋派が母体になり、明治維新の原動力となります。
(´・ω・`)
ここら辺り、憎悪が人の行動の原動力としては一番のエネルギーだというのは、現代変わりませんね。


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