「光圀伝」と明治維新 [小説]
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水戸光圀、っていうか、水戸黄門。
若い人は知らないって人も出てきましたよね。
私らアラフォー世代からすると、子供の頃から慣れ親しんだお爺さんの水戸黄門様です。
さて、その水戸黄門の小説、光圀伝。
逆に言えば、この人、何でこんなに有名なんだろう・・・。
って、思いませんか?
御三家の中では一番小さな水戸藩の藩主でしたが、後世に有名になる元を残します。
勤王思想の水戸学の素となった大日本史の編纂を始めた人です。
そう、なぜか幕末の志士の多くは、尊王攘夷を唱えますが、その思想を作った人と
言ってしまって良いと思います。
それゆえに、徳川の御三家にも関わらず、明治維新後も人気者で、長寿ドラマの主役となりました。
その徳川光圀を真っ向から描いた光圀伝。
面白いですよ。
漫画にもなってますが、小説の面白さを十分に表現しています。
(´・ω・`)
その偉人の若気の至りも十分に表現してますから、そこも面白いです。
幕末では水戸出身者たちは、戊午の密勅や桜田門外の変や天狗党の乱など、他藩と比肩出来ないほどの
犠牲者を出し、結局は人材は払しょくして、明治政府にはあまり人材を出してませんが、そもそも明治維新の
人材たちの思想の根拠と、日本を統一国家へと導いたのは、この水戸学の存在とその編纂を始めた
水戸光圀に端を発します。
逆に言うと、徳川家康は必死に、公家や天皇家を抑え込み、同じ作者の「天地明察」では、
公家の独占である暦の事業を武家の手へとさらに追い込みをかけるのですが・・・。
まあ、徳川家康たちが広めた朱子学は所詮は家に対しての義。
国に対しての義には勝てなかったんでしょうね。
より大きな物に対する義。
現代に住む私もその正しさは分かるんですけどね・・・。
(´・ω・`)
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