ギリシア人の物語II 「民主政の成熟と崩壊」 [本]
ギリシャ人の物語II 「民主政の成熟と崩壊」はペルシア戦争後の民主政アテネの黄金時代から崩壊までえがいた物語です。
(o・ω・o)
民主政の抱える弱点により自滅するアテナ人の物語なのですが、繁栄を極めたペリクレス時代から、ペロポネソス戦争の終結まで、民主政治とはを何か考えさせれる物語です。
(o・ω・o)
ペルシャの侵略に怯え、それと戦うべく、アテナの民主政治は小国ながら、大国と戦う為に理想的な協力体制を整え、ペルシャに勝利を得ました。
しかし、ペルシャの脅威が去り、アテナの民主政治は緩んできます。
(´・ω・`)
危機に対して挙国一致体制をつくるのは、民主政治は理想的だが、繁栄を謳歌するのにはどうだろうか?
この物語はそれを考えさせられます。
煽動政治家に扇動されて、具体的な政策は実行されず、指導者は居ても、その指導者の邪魔ばかりが目立ってしまいます。
そして、煽動政治家に権力が渡り、軍司令官となったら、失敗するというのをアテナは繰り返してしまいます。
前半の主人公のペリクレスと後半の主人公アルキビアデスが生きた時代を考えさせれますね。
主権を持つ市民の質が変わった?
いや、市民の教養は上がり、文化は花ひらいています。
しかし、危機感がまるで欠如してしまっています。
アテナはギリシャの都市国家の盟主として、自信に溢れ、先進的な文化も花開き、それが永遠に続くかのような錯覚をしてしまっています。
(´・ω・`)
同じ作者の「ローマ人の物語」も寡頭政治である共和制ローマから帝政ローマに変化する時も感じましたが、民主共和制というのは、国民に対して厳しい政治体制だということですね。
正しい判断をしないと、国は容易く滅びてしまうのです。
(o・ω・o)
そして次の巻は、マケドニアのアレキサンダー大王の東征の物語だそうです。
民主政治から、専制政治の極みである英雄に率いるマケドニア、歴史上で圧倒的な存在感になりますが・・・(´・ω・`)
欧米文化の根底になるギリシャがどうなっていったのか、面白いと思いますよ。
(o・ω・o)
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